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労働災害

企業が労働災害リスクのためにできることとは

労働災害が発生すると、企業は状況によっては民事上の責任を負うことになります。また、労働基準監督署による行政指導が行われることもあり、経済的にも社会的にも大きなダメージを負ってしまいます。しかし、事前に対策を講じておくことで企業の労働災害リスクは軽減可能です。この記事では、企業が労働災害発生に備えてしておくべきことを解説します。

労働災害が起きたときに企業に求められる責任

労働災害が発生した場合、企業は以下の5つの責任に問われる可能性があります。

  • ●労災補償責任
  • ●刑事責任
  • ●行政責任
  • ●民事責任
  • ●社会的責任

それぞれの責任について簡単に説明します。

労災補償責任

業務中に従業員が怪我をしたり、病気になったりした場合、労働災害補償保険から給付されます。企業側は強制加入させられる保険です。治療費などは実費全額が支払われますが、休業損害は、休業4日目以降から行われます。いずれにしても、企業の金銭的な負担はありません。なお、一定の規模の会社は、労災保険を使うことで、労災保険料が上がってしまうことがあります。

刑事責任

企業の労働安全衛生法違反や労働基準法違反、また使用者責任などが認められる場合は、企業が刑事責任を問われるおそれがあります。企業が危険防止のための策を怠ったことで、従業員が死亡した場合は、「業務上過失致死傷罪」に問われるおそれもあります。

行政責任

労働安全衛生法や、労働基準法違反などが原因で労災が発生した場合は、労働基準監督署から是正勧告などの指導を受けることになります。使用停止命令や作業中止命令などが命じられることもあります。命令に従わない場合は、書類送検されるなど刑事責任を問われることになる可能性もあります。また、企業名が公表されることもあり、企業イメージを大きく損なうリスクもあるのです。

民事責任

労働災害の発生の原因が企業側の安全配慮義務違反にある場合は、企業は労働者に対して損害賠償義務を負うことになります。治療費は労災保険から支払われますが、休業損害、後遺障害慰謝料も労災保険から支払われますが、全額ではありません。傷害慰謝料、後遺障害が残った場合の逸失利益は労災保険から支払われません。
そのため、場合によっては、企業は多額の賠償義務を負うことになります。

詳しくは、厚生労働省のしおりを確認ください

社会的責任

労働災害で従業員が死亡するなどした場合は、労働災害の事実が大きく報道されて企業が責任を問われることになります。企業側が労働災害の発生に対して十分に払っていたとしても、企業自体が攻撃にさらされる可能性もあります。

また、重大な労働災害が発生したことで、取引先から取引を打ち切られる、客足が落ちて売上げが減少するなどの経済的なダメージも発生するケースも少なくありません。

労働災害リスクに備えてやっておくべきこと

企業にとって労働災害の発生は大きなリスクとなります。労災補償については、労災保険でカバーできますが、刑事責任、行政責任、民事責任については労災保険ではカバーできませんので、事前に対策を講じておく必要があります。

危険防止措置をとる

企業側が安全配慮義務違反や労働基準法、労働安全衛生法違反に問われないように、また労働災害が発生しないように危険防止措置をとっておく必要があります。そのためには、設備や機械、工具などのハード面だけでなく、従業員への教育などのソフト面の対策も欠かせません。これらを漏れなく行っており、企業側に問題がなければ、民事責任や刑事責任に問われる可能性は低くなります。ただし、どんなに安全管理に気を配っても労働災害の発生を完全に抑えることは難しいので、以後説明するような様々なリスクに備えた対策を講じておく必要があります。

労災保険にプラスして保険に加入しておく

労災保険では補償されない慰謝料等の損害賠償に備えるために、民間の保険に加入しておくと万が一の際の莫大な損害賠償に備えることができます。損害保険会社で「労働災害総合保険」などの名称で販売していますので、損害賠償請求に備えて加入しておくと安心です。

顧問弁護士を利用

安全衛生義務違反や労働基準法、労働安全衛生法違反に問われないための対策は企業だけでなく、労災問題を専門とする弁護士とともに行うことでより効果的になります。法律の専門家によって、問題となる箇所を潰しておくことで、労働災害の発生および、企業の責任を問われるリスクが軽減するのです。
また、顧問弁護士契約を結んでおくことで、労働災害が発生した際に速やかに被害者対応等が可能となります。日頃から企業の実情や労災対策などを熟知した顧問弁護士であれば、事案の解決に向けて速やかに動くことができますので、労働災害発生による社会的な影響を最小限に抑えることができます。

労働災害が発生した場合にやるべきこと

すでに労働災害が発生している場合はどうしたらよいのでしょうか。最後に労働災害が発生した場合の対策を説明します。

現場での適切な対応

労働災害が発生した場合は、まずは、被害をうけた従業員の救護や病院の搬送を優先します。受診する際は、業務中の事故であることを告げて受診させましょう。重大な事故であれば、警察署や労働基準監督署へ連絡します。

労働基準監督署への報告

労働災害が発生して、従業員が怪我をしたり死亡したりした場合は「労働者死傷病報告」を提出しなければなりません。休業日が4日以上の場合は、労働災害が発生してから遅滞なく提出する必要があります。4日未満の場合は提出期間に余裕がありますので、提出忘れに注意しましょう。提出を怠ると労災隠しと判断されるケースもあります。

被害者やその家族への賠償対応

労働災害の被害者である従業員が死亡した場合は、従業員の家族と損害賠償について話し合う必要があります。

会社側に落ち度がない事故であっても死亡してしまった場合や、重傷を負った場合は、被害者やその家族と早い段階でコンタクトをとっておきましょう。その際の窓口は、法人の代表だけでなく弁護士が望ましいでしょう。

軽微な怪我の場合でも、労災給付の手続の案内やサポートを行いましょう。

労働基準監督署や警察への対応

労働災害の被害が甚大であった場合は、労働基準監督署や警察による事情聴取や現場の確認などが行われます。労働基準監督署の判断によっては、指導や是正勧告などの処分を受けることがあります。また、労働災害の状況によっては、刑事事件で起訴されるおそれもありますので、警察には注意深く対応しなければなりません。

弁護士に対応依頼を

大きな労働災害が発生した場合は、被害者の対応や労働基準監督署や警察への対応、マスコミ対応など、法律知識だけでなく総合的な対応力が求められます。労働災害発生時の対応を誤ると、マスコミの報道によるバッシングなどの社会的なダメージが大きくなりますので、早期に適切に対応しなければなりません。弁護士であれば、法律知識はもちろんのこと、事案の対応力、交渉力を有しておりますので労働災害対応には最適です。

労働災害のまとめ

労働災害の発生は、企業にとって経済的だけでなく社会的にも大きな影響を与える大きなリスクです。労働災害を発生させないための対策はもちろんのこと、労働災害が発生した際に企業の責任が問われないようにするための対策も必要です。そのためには労働災害が発生する前に弁護士と顧問契約を結び、有効な労働災害対策を講じておくことが有効と考えます。

また、労働災害が発生したときは弁護士による迅速かつ適切な対応が求められます。

労働災害リスクに備えたい経営者の方、労働災害を発生させてしまった経営者の方は弁護士に相談しておきましょう。

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