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賃金等の規定

賃金等の規定はどうすれば?
就業規則に記載すべき時効とは

就業規則の作成は慎重に行わなければ、労働問題などのトラブルを引き起こすおそれがあります。特に気をつけなければならないのが、賃金などの給与等に関する規定です。法律で必ず記載しなければならないという項目もありますので必要事項を網羅したものを作成しなければなりません。そこで今回は賃金規定の概要や記載すべき方法を解説します。

賃金規定とは?

賃金規定とは就業規則に必ず記載しなければならないと、労働基準法で定められている項目です。就業規則は従業員が10人以上在籍している事業所では必ず作成し、労働基準監督署に届け出ることが義務づけられています。また、従業員が10人未満であってもトラブルの防止や、業務効率化などの観点で、就業規則は作成しておくべき、と考えます。就業規則内の賃金規定は給与規定と呼ばれることもあります。

賃金規定に必ず記載すべき事柄

次に賃金規定に記載しなければならない事柄を解説します。以下の項目は、労働基準法で就業規則に記載すべき、と定められていますので、必ず盛り込んでおいてください。

賃金の計算方法など

賃金規定には、基本給や職能給、各種手当ての規定や割増賃金などの規定を記載する必要があります。また、賃金の計算方法、時給制、日給制、月給制、年俸制なども盛り込まなければなりません。
遅刻や早退、欠勤などの際の給与の取り扱い、また時間外労働割増賃金や休日労働割増賃金、深夜労働割増賃金なども規定しておきます。昇級の時期や昇級の基準も明文化しておかなければなりません。

賃金の支払時期と支払い方法

賃金規定には、賃金の支払い時期を明記しておかなければなりません。例えば「毎月28日」という具合です。規定した日が休日にあたる場合の、繰り上げ、繰り下げなども記載します。また、支払い方法が手渡しなのか、振り込みなのか、またいずれの貨幣で支払うのかも規定しておきましょう。給与計算のための締め日もきちんと決めておきます。

ルールがあるなら賃金規定に記載しなければならない項目

次に、賃金規定に必ず記載すべきとは規定されていないものの、企業内で決まっているなら記載しなければない項目を解説します。これを「相対的必要記載事項」といいます。

  • ●退職金を支払う場合は退職手当の計算方法や支払時期、支払い方法、対象者
  • ●最低賃金の金額
  • ●出張の際の旅費の規程
  • ●退職金以外の一時金や臨時手当
  • ●食費や作業着、作業用品などの会社と従業員の負担割合や金額

これらの項目は、同一企業内でも事業所によって異なる場合もありますので、企業単位ではなく事業所単位で定めることもあります。また、これらの項目以外にも、賃金の昇級テーブルや賞与の算定基準表などを独自に規定することも可能です。

賃金規定はテンプレート使っても問題ない?

賃金規定は、法的に有効かつ企業の実態に即した形で作成しなければならないので経営者や担当者が独自に作成するのは困難です。そこで、厚生労働省では、賃金規定をふくめた就業規則のテンプレートを公開しています。

https://www.mhlw.go.jp/content/000496428.pdf

「厚生労働省が作成しているからそのまま使えばいいのでは?」と考える方も多いのですが、テンプレートを利用することはおすすめできません。なぜならば、厚生労働省のテンプレートは、それぞれの企業に即したものではないからです。テンプレートをたたき台として企業の実態に即したものに作り替えることができればいいのですが、法律知識を持たずに改変すると、必要な部分を削ってしまったり、必要な項目を付け加えたりすることで、法的に無効な賃金規定になるおそれもあります。また、法令の改正などに順次対応しなければならず、経営者や担当者の業務負担が大きなものになってしまいます。

ですので、賃金規定を作成する場合は、テンプレートを活用する場合であっても一度は弁護士や社会保険労務士と言った専門家に相談をしてアドバイスを受けておくのが安心です。

賃金規定を作成するメリットは?規模が小さい会社でも作成すべき?

従業員が10人未満の企業は、就業規則の作成義務はありません。しかし、就業規則だけでなく賃金規則も作成しておくべきです。なぜならば、賃金規定を明確にしておくことで、従業員とのトラブルが回避できるだけでなく、従業員のモチベーションアップにもつながるからです。

そもそも、賃金規定がない場合は、新しく従業員が増えるたびに、賃金の決まり事などを説明しなければなりません。これは経営者や人事担当者の貴重なリソースの無駄遣いと言えます。

また、賃金規定が明文化していることで、従業員間のトラブルや経営側とのトラブルが回避できます。賃金規定がなければ、経営者や人事担当者が自分の裁量によって各従業員の給与を決めることになります。独自のルールに従って決めていたとしても従業員にとっては不公平に感じるものです。「同じように働いているのにあの人だけ給与が高い」など不満を生み出す元凶になります。しかし、就業規則で賃金の計算方法や、昇級の基準を規定しておけば給与の差に関する不満が生まれにくく、社内の公平性が保たれます。

さらに、昇級の規定を明確にしておくことで、従業員のモチベーションアップが望めます。昇級の基準や昇給額、時期などが明確になっておけば、高く評価されるようにと真摯に業務に取り組むようになるからです。

賞与の評価方法や算定方法も記載しておけばさらなる、モチベーションの向上が期待できます。賃金規定の作成は、経営者にとっても労働者にとっても、メリットが大きいので従業員数が10人に満たない会社であっても賃金規定は作成しておきましょう。

賃金規程作成の注意点

賃金規定の作成の際には注意すべき点が多数ありますが、中でも気をつけなければならないのが働き方による規定の違いなどです。たとえばみなし残業時間制度を取り入れている場合、賃金規定に何時間の残業時間が、みなし残業時間なのかを規定しておかなければなりません。20時間までの残業が固定残業代に含まれているのであれば、20時間と明記しておかなければ、みなし残業時間制度とは言えず、すべての残業代を支払う必要があります。

また賃金規定は、それ単体だけでなく他の項目との関連性が高いので、就業規則全体を把握した上で作成する必要があります。例えば、会社が定める所定労働時間の規定が法定労働時間である1日8時間、週40時間を超えている場合は、所定労働時間内の業務であっても残業代を支払わなければなりません。

賃金規定は、正社員だけでなく契約社員やアルバイト、パートなどの契約形態や給与の支払方式などが異なる従業員を雇用する場合は、すべての働き方について定めておく必要があることにも注意しましょう。

賃金等の規定のまとめ

就業規則は従業員10人以上を有する事業所では必ず作成しなければならない、と定められています。賃金規定は、就業規則の中には必ず盛り込まなければならないと規定されている項目です。賃金規定は、特に細かく正確に規定しておかなければ後々のトラブルを誘発することになります。また、賃金規定を作成しておくことは、トラブル防止や業務効率化、従業員のモチベーション向上など、様々なメリットがあります。ですので、就業規則を作成する際は各種テンプレートを利用する場合でも、作成前に専門家に助言を求めておきましょう。 

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