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配置転換

配置転換でトラブルを起こさないための方法とは

配置転換は、企業側に認められている正当な権利ですが、従業員側の受け取り方や配置転換の方法によっては労働問題の引き金になることもあります。そこで今回は、配置転換の概要や人事異動との違い、配置転換が引き起こすトラブルとその対処法を解説します。

配置転換とは?人事異動との違いは?

そもそも、配置転換とは同じ企業内で勤務地や職種、職務内容などを変更することを言います。よく似た言葉で、人事異動というものもありますが、配置転換は人事異動の一部です。職種は変わらないけど、勤務地が変わるものや、勤務地は変わらないけど職種が変わるもの、など配置転換にも様々な種類があります。

配置転換の例

  • ●勤務地の変更
  • ●職種の変更
  • ●階級の変更
  • ●職務内容の変更

配置転換は、正当な手続きを踏んでいれば違法なものではなく、企業側は必要に応じて従業員に配置転換を命じ、従業員はそれに下がなければならないとされています。しかし、配置転換を行うと、従業員の住居や給与など生活の根幹に関わる重要な部分が変更されることも多いため、配置転換によって様々なトラブルが発生することが少なくありません。

配置転換で引き起こされるトラブルとは

従業員に配置転換を命じると、不当な配置転換だとして損害賠償を請求され、時には労働審判や訴訟を提起されることもあります。では、どのような場合に配置転換命令がトラブルを引き起こすのでしょうか。

配置転換をパワハラだと主張される

配置転換に納得がいかない、希望する勤務地や職種ではなかったなど事情は様々ですが、従業員が、配置転換はパワハラだと主張することがあります。
「通勤時間が一般的に想定される時間を大幅に超えるような遠方への配置転換」「給与が大幅に減少してしまう」
このような配置転換は、パワハラ(権利濫用)と認定されるおそれがあるので注意が必要です。

配置転換をマタハラと主張される

また結婚や妊娠、出産、介護などをきっかけに配置転換を行うとマタニティハラスメントに該当するおそれがあります。マタニティハラスメントのつもりはなく、偶然に妊娠や出産のタイミングに配置転換を命じただけであっても、タイミングが重なるとマタハラを主張されるリスクがあるので注意が必要です。

配置転換が無効になる場合

原則として企業側は従業員に配置転換を命じることができます。しかし、以下に該当する場合は配置転換が無効であると判断される可能性があります。

権利の濫用にあたる場合

配置転換が、「正当な理由がない」、「労働者に不利益を与える目的で行われた」、「労働者に著しい不利益をあたえる」と判断されると、権利の濫用とされ配置転換が無効になるおそれがあります。

就業規則等に配置転換があることが記載されていない

企業側が従業員に対して配置転換命令を出すことがあることを、就業規則等なんらかに定めておかなければなりません。配置転換があることを従業員へ知らせる必要があります。

専門職(特定職)として雇用したのに他職種に転換する

一定の専門職、特定職として採用していた場合であって、その従業員の意に反して他職種に配置転換した場合。

配置転換を拒否されたらやるべきこととは

配置転換が法的に有効であるにも関わらず、従業員が配置転換に従わなかった場合は、「業務違反命令」として処分を下すという方法もあります。過去に配置転換について裁判で争われたことは何度もありますが、概ね企業側の配置転換を認められている傾向です。もちろん先ほどお話ししたような事例での配置転換は無効になりますが、正当な配置転換であれば有効であり従業員側は拒否できません。

ですので、従業員が配置転換を拒否した場合は、従業員に対して業務違反命令を下して処分を行うのが一般的です。一人の特例を許してしまうと、他の社員も配置転換命令に従わなくなり、会社としての機能が低下してしまいます。
業務命令違反による処分の最も重いものは懲戒解雇です。

配置転換を拒否した場合は、懲戒解雇を命じても認められるケースが多いですので、従業員に対しては毅然と対応しましょう。しかし、訴訟を提起されるなどして問題が公になると、正しいのがどちらであれ企業側に非難が集中しやすいので、慎重な対応が求められます。従業員が配置転換を拒否したことによって、懲戒解雇を検討している場合は、従業員に告げる前に企業法務を専門としている弁護士に相談しておくことを強くおすすめします。

配置転換でトラブルを起こさないための対処法

配置転換トラブルは起こさないに超したことはありません。配置転換に関する問題を予防したい場合は以下の対策を事前に講じておく必要があります。

就業規則を整理しておく

従業員に配置転換を命じるためには、就業規則に配置転換命令を下すこと記載しておく必要があります。また配置転換を拒否した場合の、処分についても明記しておくと不当解雇などと主張されたときに対抗しやすくなります。就業規則の作成や整理については弁護士や社会保険労務士などに依頼すると、法的に有効でトラブルを未然に防止できますので、一度相談しておくとよいでしょう。

事前にしっかりと話し合う

配置転換前に従業員と話し合うことも大切です。前もって話をした上で、双方が納得の上で配置転換を行えばトラブルも防止できます。従業員が納得しない配置転換の場合は、手当面を考慮するなどの対策も可能です。

配置転換をしようとしている社員の家庭事情等に配慮する

介護や育児を行っている従業員や妊娠中の従業員に配置転換を命じると無効になるばかりかハラスメントを主張されて、慰謝料を請求されるおそれもあります。ですので、配置転換を命じようとしている従業員の、家庭の事情等に配慮しましょう。妊娠中や育児中、介護中の従業員に配置転換を命じる場合は、それらを理由にした配置転換でなく、正当な理由による配置転換であることを理解してもらわなければなりません。誤解を与える配置転換の内容でないことも大切ですが、事前に従業員と話し合っておくことも重要です。

入社時等に配置転換がある旨を説明しておく

配置転換に関する規定を就業規則に設けておくとともに大切なのが、入社時の説明です。入社の際に「配置転換がある」と言うことを告げておくことで、配置転換が不当ではないこと、従業員は配置転換に応じなければならないということを周知できます。定期的に配置転換があるのであれば、求人を出す段階で周知しておくとなお効果的です。

配置転換のまとめ

会社側が配置転換を命じることは、法的にも認められています。しかし、就業規則に明記していない場合や、権利の濫用に該当する場合などは、配置転換が無効とされてしまいます。また、場合によっては不当な配置転換を命じられたとしてパワハラを主張され、慰謝料を請求される事例もありますので注意が必要です。

配置転換による労働者とのトラブルを防止するためには、就業規則の整理や従業員への周知徹底、事前の話し合いなどが有効な対策と言えます。
配置転換による問題が大きくなってしまうと、企業側のダメージが多いため、配置転換問題が発生したら、弁護に対応を相談しましょう。また、配置転換トラブルを起こさないための就業規則の整理なども弁護士や社会保険労務士に依頼しておくと安心です。

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