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休職(精神疾患など)・復職

従業員の休職と復帰の手続とは?注意点も解説

精神疾患や病気、怪我などで従業員が通常の業務の遂行が難しくなった場合は、会社側が休職を申し入れることができます。ここでは休職の種類や、傷病休職と復職の概要、手続の注意点を解説します。

そもそも休職とは?

そもそも休職とは、従業員が怪我や病気などによって働けなくなった場合に、業務を免除するものです。休職制度は企業が導入している場合と導入していない場合があります。休職制度自体は法律によって定められているものではありません。休職制度がない企業の場合は、怪我や病気で働けなくなって時点で、従業員が労働契約の遂行ができませんので、解雇を検討することになります(手続きに則る必要があります)。

休職には、以下の種類があります。

  • ●傷病休職:労働災害以外の病気や怪我による休職。
  • ●起訴休職:刑事事件で起訴された従業員に対して行われる休職。
  • ●出向休職:他社に出向する場合に、自社を休職して出向するときに行われる休職。給与は出向先が支払う。
  • ●懲戒休職:出勤停止などの懲戒処分による休職。

今回は、労働災害以外の怪我や病気で休職する「傷病休職」について解説します。

休職は解雇の猶予措置

休職は従業員が会社に申請するものではなく、会社から従業員に命じるものです。従業員が会社に「病気になったため働けない」と申告することもありますが、会社はそれをきっかけに休職を検討するにすぎません。休職は、解雇の猶予措置であり、従業員への福利厚生の一環ではないことに注意しましょう。

従業員が休職を申し入れてきたら

従業員が休職を申し入れてきたら、就業規則の規定に従って休職の手続を進めます。休職は、法律で定められている従業員の権利ではありませんので、就業規則に規定がなければ拒否することもできます。

就業規則に休職の規定がある場合は、休職理由を確認するために診断書等の提出を求めましょう。診断書の内容に従って会社側が休職期間を判断します。

会社から従業員に休職を申し入れることもできる

従業員は働く意思があるものの、病気や怪我により本来の能力が発揮できない、業務をほとんど遂行できていないなどの状態の場合は会社から従業員に休職を打診することもできます。うつ病などの精神疾患の場合、本人が気付かない間に症状が進行して業務が疎かになることもあります。放置しておくと同僚とのトラブルや会社間のトラブルに発展するおそれもありますので、早めの措置が必要です。

うつ病などの精神疾患が疑われる場合は、従業員に受診を促した上で休職制度について説明をしておきましょう。この場合は、「業務のせいでうつ病になった」と主張される可能性もあるため慎重な対応が求められます。うつ病の可能性がある従業員の休職については、事前に弁護士や社会保険労務士などに相談しておくとよいでしょう。

休職の際の手続

従業員を休職させる場合に必要な手続を解説します。

休職期間の設定

従業員が提出した診断書に従って、休職期間を設定します。通常は就業規則で、6か月から1年を上限にしている企業が多いです。就業規則で上限を定めていない場合もこちらの期間を上限とするとよいでしょう。できれば就業規則によって、勤続年数別に休職期間を定めておくことが望ましいです。

休職期間中の給与

休職期間中は会社側は給与を支払う必要はありません。独自の制度で手当を支払うと規定してある場合は、規定した手当を支払いましょう。休職期間中の有給休暇の申請は認められないとする判例がありますので、有給休暇の取得は拒否可能です。

会社から給与は支払われませんが、健康保険組合から傷病手当金が支払われる可能性がありますので、案内しておくとよいでしょう。

休職期間中の勤続年数

休職期間中は従業員は働いていませんので、勤続年数には算入する必要がありません。ボーナスや退職金の算定からは除外可能です。

休職期間中の社会保険料

休職期間中であっても、会社負担の社会保険料は会社が負担しなければなりません。

休職期間が満了した場合の手続

次に、休職が終了した場合や休職期間が満了した場合の手続を解説します。

休職期間が満了した場合

休職期間が満了した場合は、復職もしくは自動退職という形になります。自動退職は、休職期間で復職できなければ労働契約を終了する旨を就業規則に定めている場合に、適用されます。休業から退職までの流れをスムーズにしたい場合は、必ず就業規則に規定しておきましょう。

復職できない場合は解雇も可能です。

復職する場合の手続

従業員が復職を申し出た場合の手続きを解説します。

復職願と診断書の提出

従業員が復職を希望した場合は、復職願と診断書の提出を求めます。診断書や復職面談、試し出社などによって治癒したかどうかを確認して、元通りの業務を遂行できると判断できれば復職を許可します。復職させるかどうかを判断するのは、会社側です。ただし、精神疾患や後遺傷害が残っている怪我などの場合は、精神科医や整形外科医などにも判断を仰いだ方がよいでしょう。

復職面談を行う

復職の際は、診断書だけでなく面談によって本人の健康状態や精神状態を把握しておきましょう。特に、完治していない病気や怪我や精神疾患からの復職の場合は、面談が重要です。できれば始業時間に面談時間を設定して、時間通りに来ることができるのか、朝の精神状態は問題ないかなども確認しておきたいところです。

業務や勤務形態の見直し

診断書や本人の状態を確認して、従来の勤務が難しいと判断した場合は、業務内容の見直しや勤務時間を短くするなどの措置が必要となります。これまでよりも負担が少ない部署に異動させる、時短勤務にするなどです。ただし、部署が変わってからといって給与を一方的にさげることはできませんので、部署が変わったことにより給与を下げる場合は、従業員とはなし合って同意を得るようにしましょう。

試し出社

就業規則に定めがある場合や、本人の希望がある場合、業務遂行可能かを判断するために試し出社を行います。通常よりも短い時間、軽い業務を行うなどして、どの程度の業務が可能かを見極めます。

精神疾患からの復職判断について

うつ病などの精神疾患で休職している従業員が復職する際は、企業側も慎重な対応が求められます。一般的には以下の条件をクリアしている場合に復職を判断すべきとされています。

  • ●従業員が復職の意欲を示している
  • ●一人で通勤時間帯に通勤できる
  • ●決まった時間、日数に就労できる
  • ●作業による疲労が翌日までに回復できる
  • ●睡眠サイクルが適切である
  • ●昼間に眠くならない
  • ●注意力や集中力が回復している

診断書だけでなく以上の条件をクリアしていなければ、復職後もトラブルが発生して再び休職するという事態にもなりかねません。精神疾患から従業員が復職する場合は、会社だけでなく弁護士や精神科医などの専門家を交えて判断しましょう。

休職(精神疾患など)・復職のまとめ

従業員が病気や怪我などで業務の遂行が難しくなった場合は、会社側が休職を命じます。休職期間が満了しても復職できなければ解雇が可能です。就業規則に休職の規定がなければ、休職期間を経ることなく解雇することも不可能ではありません。

休業期間が満了、もしくは治癒して復職する場合は、診断書だけでなく従業員本人の状態をしっかりと把握した上で、復職を許可しましょう。精神疾患からの復職の場合は、精神科医を含めた専門家と検討した上で復職を判断することが望ましいです。

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